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【終活事始め】⑤「死後事務委任契約」ってなに?
本日は、死後事務委任契約について説明いたします。
死後の「手続き」誰にお願いしますか?
当事務所でも相続手続や遺言書の作成のサポートをしていますが、意外とカバーできないこともあります。
「もし明日、自分が一人で亡くなってしまったら、誰が葬儀を出してくれるんだろう?」
「携帯電話の解約や、未払いの医療費の支払いはどうなるの?」
終活を始めると、財産のことは気が回りますが、意外と見落としがちなのが「死後の手続き」です。
実は、これら手続きは「遺言書」だけではカバーできないことが多いのをご存知でしょうか。そこで今回のブログでは、自分らしい最後を迎えるための「死後事務委任契約(しごじむいにんけいやく)」について、わかりやすく解説します。
1 死後事務委任契約とは?
簡単に言うと、「自分が亡くなった後の『事務手続き』を、生きているうちに第三者に依頼しておく契約」のことです。
よくある誤解として、「遺言書があれば大丈夫」というものがありますが、遺言書は主に「財産を誰にどう分けるか」を指するものです。
遺言書: 「財産」の行方を決めるもの
死後事務委任契約: 「死後の手続き・片付け」を決めるもの
このように役割が違います。家族がいれば自然とやってくれることも多いですが、おひとり様や、家族に負担をかけたくない場合には、この契約が非常に重要になります。
2 具体的に何を頼めるの?(契約でできること)
「死後事務」と言われてもピンとこないかもしれません。具体的には以下のようなことを依頼(委任)できます。
行政への届出: 死亡届の提出、健康保険や年金の資格抹消手続きなど。
葬儀・納骨: 喪主の代行、お墓への納骨、永代供養の手配。
支払いの清算: 入院費や施設利用料の未払い分の支払い。
解約手続き: 公共料金(電気・ガス・水道)、携帯電話、インターネット、クレジットカードの解約。
遺品整理: 住居の片付け、賃貸物件の退去・引き渡し、デジタル遺品(SNSアカウント等)の削除。
ポイント 「ペットの新しい飼い主への引き渡し」なども契約内容に盛り込むことができます。
3 こんな人にこそおすすめです
この契約は、全ての人に必須というわけではありません。しかし、以下のような状況の方には強く検討をおすすめします。おひとり様(独身)の方: 身寄りがなく、頼れる親族がいない。
子供がいないご夫婦: パートナーが亡くなった後、残された方が高齢で手続きができるか不安。
親族と疎遠・遠方: 家族はいるが、仲が悪い、あるいは海外など遠方に住んでいて負担をかけられない。
事実婚(内縁関係)のパートナーがいる方: 法的な配偶者ではないため、通常の手続きがスムーズにいかない場合がある。
4 メリットとデメリットを知っておこう
【メリット】
自分の希望通りの最後を迎えられる: 葬儀の形式や散骨など、具体的な希望を託せます。
周囲への負担を減らせる: 「何をすればいいかわからない」という家族の混乱を防げます。
安心感が得られる: 「死んだ後どうなるか」という漠然とした不安が消えます。
【デメリット】
費用がかかる: 専門家(行政書士、司法書士、弁護士などの専門家)に依頼する場合、契約作成費や執行費用がかかります。
財産管理はできない: あくまで「事務」の委任なので、生前の財産管理が必要な場合は「任意後見契約」など別の契約とのセットが必要です。下記「任意後見契約を補完するもの」の図をご参照ください。
5 終活事始めとして、まずは「整理」から
死後事務委任契約は、非常に便利な仕組みですが、法律の専門家が関わることが多いため、少しハードルが高く感じるかもしれません。まずは、「自分の死後に発生する手続きリスト」を書き出してみましょう。
。
1)スマホやPCのパスワード
2)契約しているサブスクリプション(定額サービス)
3)連絡してほしい友人のリスト
これらを整理するだけでも、立派な「終活」の第一歩です。
終活事始め①で説明しました「エンディングノートで「情報の一覧化」をする」と同じことですので、難しく考えず書けるところから始めてみましょう。その上で、「これは誰にも頼めそうにないな」と思ったら、専門家への相談を考えてみてください。
まとめ
「死後事務委任契約」は、あなたが旅立った後、あなたの代わりに「片付け」をしてくれる人を決めておく契約です。
ご検討いただければと思います。

次回は、12月7日開催の終活セミナーについてご報告いたします。
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◼️成年後見制度をご存知でしょうか!
後見制度には2種類の制度があります。
法定後見制度
ご本人がひとりで決めることが心配になったとき、家庭裁判所によって、成年後見人等が選ばれる制度です。ご本人の不安に応じて「補助」「保佐」「後見」の3つの種類(類型)が用意されています
任意後見制度
ひとりで決められるうちに、認知症や障害の場合に備えて、あらかじめご本人自らが選んだ人(任意後見人)に、代わりにしてもらいたいことを契約(任意後見契約)で決めておく制度です。「ご自身で選んだ人を決めておくことができる」ここがポイントです。詳しくは、杉本行政書士事務所までお問合せください。





