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【終活事始め】④ 「成年後見制度」認知症に備えるために!
本日は、成年後見制度について説明します。
事故や病気で重い障害を負ったり、知的障害、精神障害、認知症などによって、ご自身ひとりで物事を決めることに不安や心配がある方が、さまざまな契約や手続をする際に、ご本人の意思決定をサポートする制度です。
制度には、大きく分けて二つあります。
「法定後見制度」
ご本人がひとりで決めることが難しくなったとき、家庭裁判所によって、成年後見人等が選ばれる制度です。ご本人の判断能力の程度に応じて、「補助」「保佐」「後見」の3つの類型が用意されています。
「任意後見制度」
ひとりで意思決定ができるうちに、将来の認知症や障害に備えて、あらかじめご自身で選んだ人(任意後見人)に、代わりにしてもらいたいことを契約(任意後見契約)で決めておく制度です(契約書の作成には公正証書が必要です)。
「大きな違いは」
・心配な状態(認知症など)になった場合 → 申立後、裁判所が後見人を選任する(法定後見)
・(認知症など)に備えてあらかじめ準備する → ご自身で後見人を頼んでおく(任意後見)
「認知症に備えるため!」
私の老後は私が決める!「任意後見制度」で選ぶ、自分だけの代理人
1. 裁判所任せにしない
認知症になってから「成年後見制度(法定後見)」を使うと、誰が後見人になるかご自身では選べません(裁判所が選任します)。そのため、見ず知らずの専門家が選任されることもあります。
「任意後見制度」は、元気なうちに「将来、この人に、こんなことを頼みたい」「私がボケたら、あなた頼むわ!」と、自分で契約をしておくことができます。
2.「誰に」頼む? 3つの選択肢とメリット・デメリット
法律上、成人であれば誰でも(破産者などを除く)後見人になれます。候補者のメリット/デメリット・注意点を見ていきましょう。
候補者 のメリット * デメリット・注意点
① 家族・親族 (子、甥、姪など)
* 気心が知れていて安心感がある
* 報酬を「無償」にできる場合が多い
注意点:「金銭管理」で他の親族と揉める原因になりやすい/近すぎる関係ゆえに、なあなあになるリスクがある
② 友人・知人
* 身寄りがなくても頼める
* 長年の信頼関係がある
注意点:相手も高齢化しているリスクがある/死後のことまで頼むと負担が大きい
③ 専門家 (司法書士、弁護士、行政書士など)
* 法律や手続きに精通しており確実
* 親族間のトラブルを防げる
注意点:月々の報酬(2〜5万円程度)が発生する
Point 「おひとり様」の場合は、専門家に依頼するのが最も安全で一般的です。 同じタイミングで遺言書を作成することもあります。
3.「何を」頼む? あなた専用の「代理権目録」を作ろう
任意後見の特長は、頼む内容をリスト(代理権目録)にして、ご自身の希望に応じて細かく選べることです。
頼めること(代表例) 具体的な内容
お金の管理(財産管理) 預貯金の引き出し、公共料金・家賃の支払い、年金の受け取り確認、確定申告、自宅不動産の管理や売却(施設入居費用の捻出など)
暮らしの手続き(身上監護) 老人ホームや介護施設の入所契約、費用の支払い、病院の入院手続き、医療費の支払い、要介護認定の申請手続き
4.注意!「頼めないこと」を知っておこう
ここを誤解していると後で困ります。任意後見人ができないことは以下の通りです。
「事実行為」はできない
× 買い出しに行って食事を作る、部屋の掃除をする、おむつを替える。
(これらはヘルパー契約などが別途必要です。後見人は**「契約手続き」をする人**です。)
「医療同意」はできない
× 手術や延命治療への同意書サイン。
(医師の判断と、病院側の規定によりますが、原則後見人に権限はありません。)
「死後の手続き」は原則範囲外
× 葬儀、納骨、遺品整理。
(これには別途**「死後事務委任契約」**をセットで結ぶ必要があります。)
「取消権」がない
× 悪徳商法に騙されて買った高額商品を、後見人の権限で「取り消す」こと。
(法定後見にはありますが、任意後見にはありません。クーリングオフなどで対応します。)
5.仕組み:契約は「公正証書」で
任意後見契約の手続きは、公証役場で公正証書を作成する必要があります(信頼性を確保するため)。
発動タイミング: 契約しただけでは始まりません。将来、認知症などで判断能力が落ちた後、家庭裁判所に申し立てて「任意後見監督人」が選任されて初めてスタートします。
※この「監督人」への報酬も発生します。
6.まとめ:元気な今こそ「誰に何を託すか」リストアップを
任意後見は、ご自身の老後の希望や尊厳を守るための制度です。
まずは、頼みたい候補者(家族や専門家)と、「どこまで頼むか」を話し合うことから始めましょう。
ちなみに12月5日は、「国際ボランティアデー」だそうです。1985年に国連が制定した国際デー。世界の平和と社会開発の推進のため、ボランティア活動に対する認識を高め、参加意識を拡大する日ということです。
次回は「死後事務委任契約」について投稿します。
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◼️成年後見制度をご存知でしょうか!
後見制度には2種類の制度があります。
法定後見制度
ご本人がひとりで決めることが心配になったとき、家庭裁判所によって、成年後見人等が選ばれる制度です。ご本人の不安に応じて「補助」「保佐」「後見」の3つの種類(類型)が用意されています
任意後見制度
ひとりで決められるうちに、認知症や障害の場合に備えて、あらかじめご本人自らが選んだ人(任意後見人)に、代わりにしてもらいたいことを契約(任意後見契約)で決めておく制度です。「ご自身で選んだ人を決めておくことができる」ここがポイントです。詳しくは、杉本行政書士事務所までお問合せください。





