ブログBLOG
「子どもたちに手間をかけさせたくない」80代女性からのご相談
先日9月26日、豊中市で開催した
「相続セミナー&個別相談会」で、80代の女性からこんなご相談をいただきました。
「自分が亡くなったあと、子どもたちが相続の手続きで困らないようにしておきたい」
「遺言書を残しておいた方がいいのでしょうか?」
さらに、
「遺言書の種類や任意後見というものも聞きますが、どうしたらいいのでしょうか?」
というご質問をいただきました。
終活を考えるとき、「何を準備すればいいのか分からない」という方は少なくありません。
今回のご相談をもとに、遺言書や任意後見制度についてご説明したいと思います。
◼️遺言書は「亡くなった後」のための準備
遺言書は、自分が亡くなった後、
「財産を誰に、どのように引き継いでもらいたいのか」
という自分の意思を残しておくものです。
遺言書がなければ、相続人が複数いる場合、原則として相続人同士で遺産分割について話し合うことになります。
「子どもたちに相続のことで手間をかけたくない」
「自分の希望をきちんと残しておきたい」
という方にとって、遺言書は終活の大切な準備の一つです。
◼️自筆証書遺言と公正証書遺言
遺言書を作るときに、
「自分で書けばいいの?」
「公正証書にした方がいいの?」
というご質問をよくいただきます。
自筆証書遺言は、法律で定められた方式に従って、自分で作ることができます。費用を抑え、自分のタイミングで作ることができるのが特徴です。
一方、自宅などで保管されていた自筆証書遺言は、亡くなった後、原則として家庭裁判所で「検認」という手続きが必要になります。
つまり、
自分にとって作りやすいか
だけではなく、
亡くなった後、子どもたちにどのような手続きが必要になるのか
というところまで考えておくことが大切です。
法務局に預ければ、それですべて終わり?
自筆証書遺言には、法務局の「自筆証書遺言書保管制度」もあります。
この制度を利用して法務局に保管された遺言書については、家庭裁判所での検認は必要ありません。
紛失や改ざんなどを防げることもメリットです。
ただし、
「法務局に預けておけば、亡くなった後、子どもたちは何もしなくていい」
というわけではありません。
相続開始後に遺言書の内容を確認するためには、相続人などが法務局に遺言書情報証明書を請求するなどの手続きがあります。
そのためには、亡くなったことや相続関係を確認するための戸籍など、必要書類を準備することになります。
「検認がいらない」ことと、「相続人の手続きがなくなる」ことは同じではありません。
保管制度にはメリットがありますので、利用する価値のある制度です。
ただ、「子どもたちの負担をできるだけ少なくしたい」という目的で考えるのであれば、亡くなった後の手続きまで知ったうえで選ぶことが大切です。
公正証書遺言は「作るとき」にひと手間
公正証書遺言は、公証人が関与して作成する遺言書です。
必要な資料を準備し、公証人との打ち合わせを行い、原則として証人2名の立会いのもとで作成します。
そのため、自分だけで作る自筆証書遺言と比べれば、作成するときには手間と費用がかかります。
その一方で、公正証書遺言は家庭裁判所での検認が必要ありません。
また、原本が公証役場に保管されるため、紛失などの心配もありません。
ですから、
「自分が作るときの手軽さ」を優先するのか、
「亡くなった後の家族の手続き」まで考えて準備するのか。
ここも遺言書を選ぶときの一つのポイントになります。
任意後見制度は「亡くなる前」の備え
そして今回、もう一つご質問があったのが「任意後見」です。
遺言書が主に「亡くなった後」に備えるものであるのに対し、任意後見は「将来、判断能力が低下した場合」に備える制度です。
今は元気でも、将来、認知症などによって自分で財産管理やさまざまな手続きをすることが難しくなる可能性があります。
そこで、まだ判断能力が十分にあるうちに、
「誰に支援してもらいたいか」
「どのようなことをお願いしたいか」
を決めて契約しておくのが任意後見です。
「どちらがいい?」ではなく時間の流れで考える
公正証書遺言と任意後見は、
「どちらを選べばいいのでしょうか?」
という二者択一のものではありません。
時間の流れで考えると分かりやすくなります。
元気な今
↓
これからの生活や財産について考える
↓
判断能力が低下したとき
任意後見契約などで生活や財産管理を支える(代理になってくれる人を決めておく)
↓
亡くなった後
遺言書によって財産の引継ぎについて意思を残す
必要に応じて、見守りや財産管理、死後事務委任なども含めて考えることがあります。
すべての制度を利用すればいい、ということではありません。
その方の家族構成、財産、これからの生活、そして何よりご本人の希望によって、必要な準備は違います。
「子どもたちに手間をかけたくない」から始める終活
今回のご相談で印象に残ったのは、
「自分が亡くなった後、子どもたちにできるだけ手間をかけさせたくない」
というお気持ちでした。
終活は、単に遺言書を書くことではありません。
「これから自分はどう暮らしたいのか」
「もし自分で判断することが難しくなったら、誰に頼みたいのか」
「自分の財産をどう引き継いでもらいたいのか」
そして、
「残された家族の負担をどうすれば少なくできるのか」
まで考えることだと思います。
遺言書を書いた方がいいのか。
自筆証書遺言か、公正証書遺言か。
任意後見契約まで考えた方がいいのか。
最初から答えを決めておく必要はありません。
まずは、ご自身の希望とご家族・財産の状況を整理するところから始めてみてはいかがでしょうか。
杉本行政書士事務所では、豊中市を中心に、遺言書・相続手続き・任意後見など終活に関するご相談をお受けしています。
「まだ何をすればいいのか分からない」
という段階からでも、お話を伺いながら一緒に整理していきます。
※本記事は実際に寄せられたご相談を参考に、個人が特定されないよう内容を一部変更・一般化して掲載しています。

豊中市、北摂地域で相続手続、遺言書作成、成年後見人について
行政書士をお探しの皆さま 杉本行政書士事務所にご相談ください。
◼️こんなお悩みありませんか?
・大切な方が亡くなった。急なことで、どこから手を付けてよいかわからない
・相続人や相続財産を調べられない
・忙しくて役所や金融機関に行く時間がない
・足もとが悪くて相談に行けない
・遺言書を書きたいが、どう書けばいいかわからない
◼️成年後見制度をご存知でしょうか!
後見制度には2種類の制度があります。
法定後見制度
ご本人がひとりで決めることが心配になったとき、家庭裁判所によって、成年後見人等が選ばれる制度です。ご本人の不安に応じて「補助」「保佐」「後見」の3つの種類(類型)が用意されています
任意後見制度
ひとりで決められるうちに、認知症や障害の場合に備えて、あらかじめご本人自らが選んだ人(任意後見人)に、代わりにしてもらいたいことを契約(任意後見契約)で決めておく制度です。「ご自身で選んだ人を決めておくことができる」ここがポイントです。詳しくは、杉本行政書士事務所までお問合せください。





